眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは何か。眼瞼下垂はどのような状態なのか、誰がなりやすいのかなど、基礎知識をまるごとチェック。

そもそも眼瞼下垂とは?

お花のイラスト眼瞼下垂はまぶたが上がりにくく、眼が十分に開きにくい状態になる病気です。先天性のものもありますが、後天性の場合が多く、特に女性が症状を訴えることが多いようです。片眼だけにあらわれることもありますし、両眼にあらわれる場合もあります。

新生児から高齢者まで発症することがあるため、原因や症状は幅広く、治療方法にも様々な方法が用いられているのです。

眼瞼下垂の症状の現れ方

先天性の眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の形成不全やそれを動かす神経の発達異常など、筋肉が動かないことが主な原因となって起こります。

一方、後天性の眼瞼下垂は、主に加齢によって皮膚のたるみが起こる「皮膚弛緩性」と、目を酷使することで起きる「腱膜性」の2つが挙げられます。

「腱膜性」の原因は多く考えられ、たとえば花粉症などのアレルギーの痒みがあって強くまぶたを擦り続けることや、コンタクトの着用、過剰なメイクも原因となるのです。刺激によって、瞼板と腱膜とのつながりが外れたり、ゆるんだり、弱まったりして起こります。

眼瞼下垂が女性に多いと言われるのは、目元に刺激を与える頻度が男性と比べて高いからだと考えられます。

ある程度の下垂があると、眼が開きにくいため物を見る際にあごを上げるようになります。まぶたを少しでも上げようとすることで、眉毛が上がったり額にしわが寄ったりもします。眼瞼下垂とともに物が二重に見える複視を発症することもあるようです。

先天性は大半が片眼にだけ症状があらわれますが、後天性は両眼にあらわれる場合も多くあります。

眼瞼下垂の種類

眼瞼下垂にはいくつかの種類があります。大きく分けると「先天性眼瞼下垂」と「後天性眼瞼下垂」になります。そのほかにも、眼瞼下垂のような症状の「偽眼瞼下垂」があります。

先天性

生まれつきでまぶたが垂れている症状を持つのが先天性眼瞼下垂です。本来、まぶたは上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)と呼ばれる筋肉と、交感神経が緊張することで収縮するミューラー筋によって開けたり閉じたりといった動作をします。

この筋肉が先天的に弱い、もしくは十分にない場合、先天性眼瞼下垂となります。一般的には眼瞼下垂は先天性のものが多いという特徴があります。幼少期に眼瞼挙筋がしっかり形成されない場合になることが多いです。また、遺伝するとも言われています。片眼性と両眼性があり、ケースとしては左右どちらかの目だけ発症ことが多いという特徴があります。

顔を正面から見た際に、まぶたが黒目の上まで上がらない状態であれば先天性眼瞼下垂という診断がなされます。治療は手術を行いますが、症状が軽微であれば急ぐ必要はありません。一般的には3歳以降になってから手術を行います。

まったく目が開かない、もしくは目を開けられなくて辛そうなど、症状が重度の場合には3歳より前でも手術をすることがありますが、この場合、成長に伴ってまぶたがまた下がってしまうことが多く、再手術になるケースがあります。先天性眼瞼下垂は子どもの視力の発達に影響することもあるため、症状があれば一度かかりつけの医師に相談してみると良いでしょう。

後天性

生まれたときは問題なかったのに、何かしらの要因でまぶたがたるんでしまい視界が狭くなると後天性眼瞼下垂です。先天性と後天性は筋力が元から発達していなくてまぶたが開かない先天性と、筋力が衰えてまぶたが開かなくなる後天性という違いがあります。

後天性眼瞼下垂の主な原因は「加齢」です。加齢によってまぶたの筋力の低下、皮膚の弛緩してしまうことでまぶたが開きにくくなってしまいます。ほかにも、現代ではパソコンやスマートフォンを長時間見ることが多いため、目を酷使してしまう傾向があります。

また、コンタクトレンズ、過剰なメイク、花粉症などのアレルギーで目をこすってしまうことによっても引き起こされることがあります。目を酷使したりこすったりすることで、皮膚が弛緩してしまう、挙筋腱膜が剥がれてしまうことがあります。この原因は近年で増加傾向にあり、気をつける必要があるでしょう。

神経麻痺など、外傷性のものもあります。挙筋腱膜事態は問題ないにもかかわらず顔面神経麻痺などの合併症として眼瞼下垂を引き起こすこともあります。後天性眼瞼下垂も治療法は手術となります。加齢による眼瞼下垂の場合は挙筋腱膜と周辺組織の特殊な膜でつなぎ合わせることで回復さることが可能です。

「海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する塞栓術後に生じた眼瞼下垂症の2例」によれば、硬膜動静脈瘻にともなって眼瞼下垂になってしまったという報告も挙げられています。

参考:(pdf)「海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対する塞栓術後に生じた眼瞼下垂症の2例」吉方りえ・梁井皎・新井一・飯塚有応

ほかにも眼瞼下垂は肩こりや頭痛を引き起こす原因でもあるといわれており、眼瞼下垂を治療することでこれらが改善する可能性があります。

偽眼瞼下垂

症状としては眼瞼下垂と同じなのですが、実は違うものを偽眼瞼下垂と呼びます。挙筋自体には問題がないにもかかわらず、「目が開けづらい」といった症状があるため、偽眼瞼下垂と呼ばれます。

該当する症状としては以下のものがあります。

眉毛下垂

加齢によって眉毛が垂れ下がってしまうことで起こります。顔面神経麻痺の場合もあります。

眼瞼皮膚弛緩症

加齢によって上まぶたの皮膚がたるんでしまうことで起こります。

眼瞼けいれん

まぶたを閉じるための筋肉である「眼輪筋」が緊張することで開きにくくなります。眼球や神経異常で引き起こされることが多いです。

眼球陥凹

眼球が陥没してしまうと起こります。外傷性や甲状腺の異常の場合もあります。

小眼球症

もとから眼球が小さい状態で、視力が弱い、または全盲のことがあります。

眼瞼下垂の診断方法

眼瞼下垂の診断はまず先天性のものであるか後天性のものであるかを判断します。後天性の場合は、その原因が他の疾患にからんで起こっているものではないかを判断する必要があります。

まぶたの開きは表情によっても違って見えるため、「何となく眼瞼下垂ぎみである」「眼瞼下垂とまでは言えない」など、医師によって判断が異なる場合もあります。

軽度の眼瞼下垂はあまり自覚症状がないため、眼瞼下垂なのかどうかの判断も難しくなります。

眼瞼下垂の治療方法

眼瞼下垂の治療は症状の程度によって変わります。重症の下垂の場合、視力の発達が阻害されることがあるため、早期に手術を受けることもあります。

眼科手術や脳梗塞の後に眼瞼下垂が起きた場合、自然回復することもあるため数か月様子見をすることも。重症筋無力症では薬物による治療が主体となります。

原因や症状の重さで治療方法も異なるため、早めに専門医に診てもらうことが大切です。

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